北海道の楢

キッチンの材料を決めるとき、多くの場合は好み(特に、木の色)と予算で決まります。KitoBitoではキッチンの面材(表面に見える素材)を無垢材で製作するため、家具にむいている美しく、そして堅く、ある程度均一感のある材料で、まとまった量が手に入り、高額すぎないもので提案しています。実際そんな材料は限られているのですが…

現在、製作中のキッチンは、お客様と打合せを重ねた際に、受け継いだ家を大切にして引き継ぐ考え・素材の良い物を家と同様に見極め、長く大切に使っていきたいという気持ちを感じたのです。中で仕事をしてる大工さんも左官さんも、考えられないほど丁寧に仕事をされていて、お客様の考えを尊重してるのです。「あっこの感覚をもった方には!」と思った私たちは、最初は別の材料で作ることになっていたのですが、この北海道の水楢がベストなんではないか、と確信をしました。

材料を見たお客様は、じっくりと材料を見比べて、北海道の水楢の木目がとっても細かく美しいのを感じ、これが受け継いでいく家にふさわしいと感じてくれたようです。それ以来、数度に分けて納品をしているのですが、そのたびに、材料の美しさを感じてくれているようです。

あぁ、この材料を紹介してよかった… 本当に心からそう思ったのです。大切にしている材料なので、こういった方に使ってほしかったのです。作り手が使い手を選んでいるようなので、偉そうに感じるのですが、この材料に関しては特別。よい材料は、長い年月をかけて育ち、それを人の手で切り倒してしまう、という人間の欲から生まれているのです。そう、だからこの材料に敬意をもって大切に感じてもらえる人のもとで、キッチンという形になって、そこからまた育ててもらえるのです。

木工をしている身の私たち、大切な木々を使わせてもらうことに、感謝しながらの仕事です。