文化と人、出会い

京都の工務店さんから、木のキッチンについてのお問い合わせをいただきました。
まだお話の段階なのでどうなるかはわかりませんが、「また京都でお仕事ができたらいいな」と思いを馳せています。

これまでにも京都では何度もお仕事をさせていただきました。
今でも親しくしてくださっているお客様のおかげで、京都を訪れる機会が多くあります。
歴史ある町並みの中で、新しいものと古いものが共に息づく京都は、訪れるたびに新たな刺激とワクワクを感じさせてくれます。

以前、karimoku case のショールームができた際には、二度見学に伺いました。
デザインと技術力の高さはもちろんのこと、木に向き合う姿勢に深く感動しました。
製造に携わる方から伺ったお話では、日本では大きな木が少なくなっており、
無理に広幅材を集めるのではなく、細く短い木をつなぎ合わせ、
身近にある木を大切に使い切るという考え方が根づいているそうです。
その丁寧な姿勢と、それを支える技術に心を打たれました。

KitoBitoでも、木材を使ってキッチンや家具をつくると、どうしても小さな端材が生まれます。
これまでは冬の暖房用の燃料として使っていましたが、
「この小さな木たちを、もう一度何かの形にできないか」とずっと考えてきました。

そんな折、『音の絵』のオーナー様とのご縁をいただき、
以前から気になっていた刺繍レースを使わせていただく機会が生まれました。
美しい刺繍レースと、さまざまな理由で製品になれなかった木を組み合わせ、
新しい試みとして テーブルライト を制作しました。

節があったり、端材だったり、小さかったり、個性が強くてこれまで使えなかった木。
それらを大切に集めて土台をつくり、木と布が織りなす温もりある灯りが生まれました。

初めての照明づくりは試行錯誤の連続で、
まだ胸を張って「完成」と言えるまでには時間がかかりそうですが、
木と布が寄り添う優しい光を感じながら、良い製品になる予感を抱いています。

文化に触れて心を動かされたこと、
素敵なご縁から新しいものづくりが生まれていくこと。
時間をかけてそれが形になっていく瞬間に、改めてこの仕事の喜びを感じています。

I recently received an inquiry from a construction company in Kyoto about a wooden kitchen.
It made me dream about working in Kyoto again someday.

I’ve been fortunate to have many projects and wonderful connections there.
Each visit reminds me how beautifully the old and the new coexist in that city.

Lately, I’ve been creating a small table lamp
using embroidered lace from Oto no E
and pieces of wood that couldn’t become products before.

Even knots and offcuts have their own beauty.
Together with fabric, they bring a warm, gentle light to life.

Moments when culture, people, and inspiration come together—
that’s the true joy of making things by hand.