山桜の食器棚です。
原木の山桜を使った食器棚のご依頼でしたので
2019年に木材市場で丸太を落札して製材した後
4年近く天然乾燥させていたものを選びました。
箱物とも言いますが、食器棚のようなきちんとした箱を作るときには
反ったりしない素直な性質の木が適しています。
なるべくまっすぐに育った木を選ぶと使っているうちに引出しが開き閉めしにくくなったり
戸の建付けが悪くなったりしません。
一方木目が複雑で個性の強い木は仕上げた時美しい模様が出たり、
テーブルの天板など見て美しさを大切にするときに使われます。
今回は3mのまっすぐに育った素性の良い(しょうの良い木と呼びます)木を選びました。
岡山県で採れる山桜は東北など北の産地のものより少し赤みが強い木が多いです。
なぜか北海道の桜はもっと赤い木があります。
板を並べて食器棚のどの部分に適しているか大まかに決めていきます。
この作業は『木取り』と呼ばれこの木取りが良ければ完成した時の仕上がりもよくなります。
ここでも個性のある場所、性の良い場所を見ながらパーツを取り出していきます。
全体を見て考える作業は経験が必要ですが木とじっくり向き合う時間なので、とても好きな作業です。この時点で出来上がりはほぼ見えていますし、原木を落札した時の気持ちも思い出されます。
原木市は秋から冬の間、月に一回だけ開催されるのでとても楽しみな時期です。
今年ももうすぐ市場の季節が始まるので楽しみです。