クルミの木でつくった、明るいキッチンが完成しました。
派手さはないけれど、
朝の光や、夕方の影がきれいに落ちるような、
静かな佇まいのキッチンです。
今回のオーナーさんには、実はこれまでお会いしたことがありませんでした。
それでも、いつかこの方にKitoBitoのキッチンを使っていただけたら…と、
勝手に想像していた方でした。
その願いを、永井建設さんがつないでくださいました。
レースの生地を使った作品を作られている作家さんのお住まい。
少しずつ手を入れながら育てられてきた家は、
飾りすぎず、けれど丁寧に整えられていて、
住まいそのものに人柄が表れていました。
だからキッチンも、
「主役」ではなく、
暮らしの中に自然にあるものにしたいと思いました。

器が置かれる余白、
鉄瓶が似合う木目、
手を動かす時間が心地よくなる高さや奥行き。
使い込まれていくほど、この家に馴染んでいくキッチンです。
そしてもうひとつ、
以前から一緒に作りたいと思っていた照明も、今回ご一緒することになりました。

好きな布を選び、縫ってもいいし、作ってもらってもいい。
着せ替えができる布のペンダントライトです。
まだ調整は必要ですが、
道具として長く使ってもらえる形でお届けできそうです。
ものづくりをしていると、
図面からはじまる仕事がほとんどですが、
今回は「人」からはじまった仕事でした。
会ってみたかった人に会えて、
同じ家の中に、自分のつくったものが置かれる。
夢は、案外こういう形で静かに実現するのかもしれません。
