Black Cherry のキッチンをつくりました。
今回制作したのは、ヌック建築工房さんの住宅に収める アイランドキッチン と、背面の引出収納です。
冬の鳥取は天気が崩れやすく、峠に雪が積もることもあって運搬に緊張する季節ですが、今回は天気にも恵まれ、気持ちの良い納品となりました。
箱のように見えるアイランドキッチンへの挑戦
アイランドは「箱に見えるように」というコンセプトのもと、
横方向の木目を揃え、凹凸を極力少なくしたすっきりしたフォルムを目指しました。
ただ、整えすぎると“のっぺり”してしまうため、
リビング側のパネルを三分割し、それぞれに 3mm のスリットを入れて表情をつけています。
ほんの3mmですが、空間に心地よいリズムを生む大切なディテールです。
角の木目をどうつなぐか──初めて挑戦した加工
今回もっとも悩み、そして挑戦したのが 角部分の木目のつなぎ方でした。
少しずれると不自然に感じるので、何度も検討を重ねながら進めました。
突板合板を使うことで木目をつなぐこと自体は可能なのですが、
その“自然さ”をつくるには相当な技術と判断が必要です。
もう一つこだわったのが、突板の並べ方。
突板とは木を薄くスライスしたものを合板に張り付けたものです。
紙のように薄い板を連続して製作するので、同じ柄になったり
すらして貼っても不自然に感じられたりと、
突板の並べ方ひとつで仕上がりが全く変わります。
一本の木からとれたものだけを使い、
同じ木目が並んで不自然な模様にならないようにあえて中心を外すなど
細かな調整を行いました。
突板屋さんとも入念に打ち合わせをし、
まるで偶然な組み合わせのような自然な仕上がりを実現できました。
実際にやってみて、
もっと上手くなりたい。もっと技術を磨きたい。
そんな想いを強くする現場でもありました。
突板合板の可能性を、改めて深く感じた仕事でした。
テーブルの納品も予定しています。
完成見学会のご案内もできると思います。
年が明けて完成する日が楽しみです。
納品を終えて──良い湯に癒される
最終日の設置が終わった帰り道、
現場近くの源泉掛け流しの温泉に立ち寄りました。
循環をしていない静かなお湯で、肌に柔らかく、
一日の疲れがすっと溶けていくような、驚くほど良い温泉でした。
良いキッチンを届けた後の、ご褒美のような時間でした。

