古民家のリフォーム 胡桃のキッチン

兵庫県高砂市からいらっしゃった方は、自宅の古民家をリフォームするためにその古民家に合うキッチンを探されていました。天井を抜いてでてきた堂々とした梁をみせる空間には、キッチンメーカーの普通のキッチンよりも無垢の木のキッチンのほうが、しっくり合うだろうと考えられたのです。

明るくなった古民家のお台所には胡桃のキッチンがよく似合いました。

キッチンと食器棚とPC台の木の種類

キッチンはL型で考えられていました。「こんな風に考えているんです。」と、最初にいらっしゃった際にはできあがっていた図面を見せてくださいました。食器棚や冷蔵庫の横のパソコンを置く机も一緒につくってほしいです。とお願いをしてくださりました。

材料をどうしようかと考えたとき、どれも同じ空間にあるのですが、本物の木なら違う樹種をつかってもケンカをしないと思いました。同じ空間に同じ樹種でそろえて、要素を増やしすぎないのは普段する方法です。

ですが、このように古民家の立派な空間だと、本物の無垢の木はケンカをするどころか、それぞれの良さが引き立っていくんだと思います。それに、住まい手もそのほうが楽しいじゃないですか!

キッチンは、最初はいい雰囲気がでないけれど、経年変化でどんどん色の良さがでてくる秋田の胡桃を提案したのです。そして、食器棚は秋田の山桜を。PC台にはオーク材を。

L字のキッチンの動線がいい

壁付きのキッチンではL字のキッチンも使いやすいです。冷蔵庫から食材を取り出し、シンクがあってその横で材料を切る。ガスコンロの場所もすぐ左手にあり、調理や配膳も流れるように行えます。 コーナーができてしまうので、悩ましい収納があるのですがオープン収納にして有効に使ってもらっています。
『これ全部、自家栽培よ。焼きそば作るときも、たっぷりお野菜入れると美味しいでしょ。』と、慣れた手つきで楽しそうにトントントンと包丁を動かしていました。窓がすぐ前にあると、明るくお料理もはかどります。

コンロ下に作ることの多いお鍋の収納のステンレスパイプの引き出しを、シンク下に備えました。コンロ下に、オーブンがある場合、シンクの下にお鍋を収納することが多くなります。

引手は、KitoBito製の真鍮の引手にしました。

このリフォームで、北側にあるにもかかわらず明るく、一日中でも過ごしたくなる空間を得た奥様。本当に明るく嬉しそうな表情が印象的でした。自然素材に囲まれた空間に、私たちの作った無垢のキッチンがゆったりと落ち着くように、とけこんだ姿を見ると大変嬉しくなってきます。

山桜の食器棚と胡桃のキッチンも年月を重ねて、それぞれが経年変化で深みのある色になってくる時が楽しみですね。

お客様に、このページのご報告をすると、お返事をいただきました。

『KitoBito様
ご無沙汰しています。
出掛ける前に少し時間があるのでとメールをチェックすると、お~お~お~!
まあまあまあ、素敵なプレゼント、山桜、栗材等聞くだけで何となく嬉しくなってしまうものたちに、囲まれて過ごす時間の素敵な事。息子が見つけてくれて、キトビト様に出会えたたことに、いつも感謝しています。
喜びに満ちた日々を送りつつ。これからもよろしくお願い致します。』

嬉しい、本当に嬉しいメールをいただきました。私たちを見つけてくださって、ありがとうございました。出会いに感謝です。

施主施工で漆をかけました。

簡単なテレビ台も製作しました。拭き漆に挑戦してみたいという気持ちがお客様にあったので、漆の映える栗の木で製作をしました。コツと時間がいりますが、大きなものは、おおらかな気持ちで塗り重ね、貴重なテレビ台を仕上げられました。

洗面台の天板にも、施主施工で漆をかけました。

洗面台の天板は無垢材を希望されていました。水のかかる場所は、無垢材の天板はお勧めしないのですが、大人だけのお住まいであったので、栗の無垢材の天板で製作をしました。漆は水にも比較的強いので、この天板にも拭き漆を施主施工でかけています。

昔からの広々とした玄関には、そこにふさわしい靴入れをつくりました。絵画は娘さんが学生時代に描かれた作品です。

蔵の美

時代時代の手仕事に『美』を感じます。長く残し伝えていきたい美しさですね。

今回のリフォームで、傷んだところを修繕してもらっていました。大工さんの素晴らしい仕事を随所でみせてもらいました。