2キッチンを作り始めたのは18年前で、オーダーキッチンが世間ではまだ一般的ではなかった頃でした。そのため最初の仕事は、作らせてくださいとお願いしたのはこちらからでした。やってみたいと思っていたけれど こんなに続けてこられるとは想像もしていませんでした。
続けてこれたのは結論から言うと、人と人との繋がりでした。
最初は家具だけを作っていて、展示会で販売したりそこで知り合った方から注文を受けたりと充実したやりがいのある仕事でした。
主には家を建てた後にインテリアの一部としての依頼で、お客様との信頼関係を深めるには物足らなさを感じることもありました。
キッチンを作りだした時は無我夢中だったのですが、それは暮らしの真ん中にあって、どんな時も家族と共に喜んだり 悩んだり 笑ったり 怒ったりずーっと一緒に成長する場所なんだと少しづつ気がつくことになりました。
そのためにはお客様と一緒に話したり悩んだり、お互いのことをぶつけ合わなければ暮らしの真ん中に入ることはできなかったのです。
よーく話し合って作り始めると、暮らしやお客さまの顔を思い浮かべながらその人のためだけに向き合うことになり 作り方も変わってきました。
打ち合わせで決めた図面でもその人を思いながら作るともっと良いアイデアが浮かぶ事もよくあります。 手が触れるほんの少しの場所でも思うと思わないでは出来上がりはずいぶんと変わるのではないでしょうか。
最初の頃多かったプランが既にある依頼はだんだんと減ってきて、ほとんどが一緒に考えてプランを立てる様になってきました。
聞くこと 悩むこと 提案すること また聞くこと そうすると今流行りのキッチンではなく使ってくれるご家族に合ったものに自然と近づいて、完成した後でああ楽しい仕事だったなあと思うことが増えた気がします。人と人の繋がりが作りだしたKitoBito(木と人)らしい仕事なのかもしれません。
キッチンの製作を通してお客さまの幸せな暮らしのお手伝いをする
それがキッチンを作ることです。