里山を愛でてキッチンを愛でて。

木のキッチン

料理をお孫さんと楽しみたいから始まったキッチンづくり

ご友人のKitoBitoキッチンを見てくださったご夫婦。木のキッチンをとても気に入って下さり、『キッチンを新しくして、もっともっと料理を楽しみたい、そしていつか遠くに住んでいるお孫さんとも一緒に料理を楽しみたい。』という願いを最初にお会いしたときに話してくださりました。既存のキッチンの収納扉を開けると、かび臭いという課題も。そうそう初めてKitoBitoに来てくださった時は、沖縄生まれの愛犬も一緒に来てくれました。

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『キッチンを新しくして、もっと料理を楽しみたい。孫とも一緒に料理を楽しみたい。』と、純粋で温かい想いを言葉にしてくださった奥様。静かな情熱を持った目でした。私達にそれを一番伝えたかったのだと思います。その気持ちを受け止め、KitoBitoキッチンにして良かったと思ってもらおうと、襟を正しました。キッチンで誰かと楽しい時間を過ごす、それがキッチンを製作する私達の醍醐味です。

キッチンリフォーム 木のキッチン 木の台所

大きな窓から庭にくる野鳥の観察ができます。

今回のご希望とプランは、

    1. 既存のL型キッチンの使い勝手はいいので、基本的な形はそのまま。
    2. シンク下は、湿気がこもらないよう、オープンに。
    3. 食洗機は不要
    4. 洗いカゴを置くスペースの下は、普段使いの食器用に横から使える引出しを。
    5. テーブル側はフル収納で開扉付きに。細かいもの用に引出しも。
    6. L型の角はテーブル側から使えるようにする。DIYでワゴンを作り奥行の深い収納を使いやすくする。
    7. コンロ横の小さな既存カウンターは残してそのまま使いたい。
    8. 既存キッチンの収納がかび臭いので、何とかしたい。

『キッチンの手元は隠したいです。』という希望で、テーブル側の収納はキッチン側の高さより約10センチ高くしました。立ち上がりが10センチくらいだと、全ては隠せませんが、テーブル側カウンターの圧迫感も無い、程よい高さになります。カウンター下の収納には、木の扉をつけ中は見えないようにしました。完全に収納として使いたいときは、扉をつけると、中が見えなくて気が楽になるのと共に、無垢の木の質感を日々味わうことができます。

愛犬のために床にはマットを敷いてました。いつも大歓迎で迎えてくれます。

食洗機は入れなかったので、洗いカゴが必須です。横から使える引き出しを提案。日常使いの食器やカトラリー類を入れると、ご夫婦二人での食器の洗い物の片付けが効率よくできますよ、とお伝えすると、横から使うという発想はなかったと驚いていましたね。

オーダーキッチン 木のキッチン カウンター収納

*コロナの感染対策のためマスクをしたまま撮影をさせていただきました。

この奥行が浅い引出し、使いやすく便利な収納場所になっています。朝、昼などは、使うお皿も限られているので、洗って⇒拭いて⇒しまう、この作業が効率よくできます。

ガスコンロの上のお鍋の中には、ことこと炊いたお野菜のおかずが色々と作られていました。家庭菜園でとれた野菜が溢れています。楽しい台所の姿を見る事ができました。『できたらもうしばらくはガスコンロを使いたいの』とガスで料理を楽しんでいます。左側のカウンターと吊戸棚は、以前から使っていたものが痛んでなく使いやすいので残しました。

小さな手作りの床拭きマットが可愛いかったです!使い古したバスタオルを使いやすいサイズに切って周りを縫うと出来上がり。大きさは自由に作れるし、使いこんだ綿は油や水の吸収も良く、汚れが飛んだ時にすぐに拭く習慣ができます。

キッチンの収納がかび臭く悩みの種だと、最初に話されていました。キッチン収納のかびや湿気の問題は、床や壁からの結露がキッチン自体に伝わり、湿気がこもってしまう事もあるため、前もお世話になった津山市の兵恵建設さんにご相談。外部と接する壁面の断熱工事をしたら、壁の結露を防ぐことができ、キッチン自体の湿気が防げるだろうということで、対応していただきました。それに加えて、ガスコンロ下の幅木とテーブル側の開扉の収納の一部が常に空気が流れるような、小さな開口を作りました。

手作りの小さな床マットが可愛かったです。

コーヒーを淹れてくださいました。コーヒーを淹れることから楽しんでいる男性が増えています。私たちにとっても、とても嬉しい事。キッチンを大切に考えてる男性が増えているんです。

L型のコーナーは、キッチン側からは使いづらいので、テーブル側からの今回のように、収納にすることが多いです。今回は、ご主人がDIYで、使いやすく、収納したいものが入るワゴンを作られました。奥行が深いので、このようなワゴンがあると空間を十分に生かせますね。

ちょっと見たところでは分からないのですが、実は使い手ならではのよく考えた工夫が随所にみられます。

庭と林の境目に小鳥のための水浴び場が部屋から見えます。沢山のメジロやシジュウカラのような野鳥が水浴びにやってくる時もあるそうです。見せていただいた写真には、芋の子を洗うくらいの小鳥の数の時もあり、驚きました。部屋の中から静かに、ワクワクしながら観察ができるなんてとても素敵な環境ですね。

家の隣の小道で草花の名前を教えていただきました。

里山の自然の中で

ミツバチが好む「ヤクシソウ」。KitoBitoでは趣味で養蜂もしているので、どこにいってもミツバチが好む草木花が気になります。このヤクシソウには、ミツバチがよく来ているよ、とご主人が教えてくださり、種までいただきました。

キッチンの撮影に伺った時も、私達と出会う事ができて良かったと言ってくださったご夫婦。愛着のわくキッチンになったでしょうか。里山の自然をこよなく愛し、生き物の写真をたくさん見せてくださいました。私たちの方からも稲刈りの時に見つけたカヤネズミの写真を送るととても喜んでくださいました。お孫さんと一緒にお料理ができる日を楽しみに、毎日を楽しんでいらっしゃいます。ありがとうございました。